あっぷるランド

りんごはやっぱり 健康食品
りんごポリフェノール、エピカテキンは果皮に多く含まれる

最近テレビ等で、健康食品として注目されてきたりんごの効能について紹介しましょう。

りんごの栄養価が高いのは言うまでもなく、食品の吸収や消化を助け、ストレスの原因でもある自律神経の乱れを正常に戻し、病気の予防や疲労回復等の効果があることが研究により発見されてきています。


■りんごポリフェノール

ワインやぶどうに多く含まれている成分で、りんごにも含まれていることが最近(平成11年10月)になって発表されました。
抗菌作用をもつポリフェノールは、体内細胞の老化を促進させる活性酸素を退治してくれる物質です。

このポリフェノールのうち、りんごには特徴的な成分であるのが「エピカテキン」です。
お茶にも含まれているカテキン類の一種ですが、その中で一番活躍しているもので、それがりんごにも含まれています。

しかも、お茶のエピカテキンとは違い、りんごには多量体として存在しています(お茶のエピカテキンは単量体)。

つまり、活性酸素に対して単体で向かうのでなく大勢で向かうため、確実に退治できるということです。


■偏らず万遍なく食べるのがコツ

ポリフェノールには優れた生理的機能性があります。
地球上には沢山の「生ける種」があります。われわれ人間も、これらに種のもとで生かされているのです。
生きているのでなく「生かされていること」に気がつかなければなりません。

人間が生きて行くには、はじめに「食」があります。
「食」もまた地球の生き物です。ですから、人間はこれらの生命体に生かされていることになります。

そもそも、これら食するものに、われわれの生命を絶つ毒もあります。
大抵は生かされるための食でありますが。

何かの病で伏せっていると、なになにの病にはこれを食すると元気になるとか、地方地方に残る古い言い伝えが身にしみます。
病に罹ってしまってからでは無駄になることもありますが、予防となると話は別問題です。
健康でいられるのは、食に含まれている毒消しの作用にほかなりません。

感謝し大切にいただかねば・・・・・。

その「食」が近年、あまりに軽んじられています。滋養としての「食」が。

最近の研究で、果実・野菜には沢山のガン抑制効果や他の生活習慣病の予防効果があることが、次々と文章に表されてきましたが、どれもこれも一過性の話題だけに終わらせないように心に刻みましょう。


■エピカテキンの性質

エピカテキンは果肉より果皮に多く含まれていて(信州大学農学部=濱渦康範農学博士)果皮の含有量は果肉の4倍にあたるといいます。
エピカテキンは水に強く、熱にも強いという性質がありますが、空気には弱く酸化しやすいです。
りんごをすりおろした後そのままにしておくと、変色してくるのはエピカテキンが酸化してくる証拠だといいます。

りんごに含まれている食物繊維に、ペクチンがあります。
食物繊維には水溶性のものと不溶性のものがあり、ペクチンは水溶性です。
りんごには整腸作用がありますが、それはペクチンに腸内の環境を整える働きがあるためなのです。
りんごペクチンには他の果物と比較して、腸内の悪玉菌の発育に対して約2倍の抑制効果があります(富山医科薬科大学=田沢賢次医学博士)。

この他にも、ペクチンには大腸ガンを抑える働きや、悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増やす作用があります(農林水省果樹試験場=田中敬一博士)。


■ペクチンの性質

例えば、コレステロールの多い食品を食べた場合、血液に余分なコレステロールが溜まり、体に悪影響を及ぼします。
一方、りんごを一緒に食べることで、ペクチンが余分なコレステロールが血液に入る前に体の外へ運び出してくれます。

このペクチンはカテキンと違い、空気に強く切ってもすりおろしても効果は変わらず、熱にも強いため料理に使っても大丈夫です。
ただジュースの場合は、混濁ジュースには含まれますが、透明なジュースには含まれていません。

また、富山医科薬科大学の、田沢賢次医学博士によると、りんごの食物繊維であるペクチンにも抗酸化作用があって、そのペクチンに熱を加えることで9倍も抗酸化力が増大するそうです。


■りんごカリウム

東北地方の人は、塩分摂取量が他の地方と比較して多いことが知られていますが、そのわりにりんご農家の平均血圧は全国平均とあまり変らないことがわかりました。

これはりんごを沢山食べているからで、りんごに含まれているカリウムが、体内のナトリウムを排出し血圧を下げる性質を持っているためです。

「脳血管障害」の大きな原因が高血圧です。
塩分を摂り過ぎると血管にナトリウムが詰るため高血圧となってしまいます。
しかし、カリウムはその余分なナトリウムを体外に運び出し、血液の流れを改善してくれるのです。
ちなみに、一日に1〜2個のりんごを食べれば十分血圧は下がってくれます。



■りんごは低カロリー

女性の中には、カロリーのことを気にする方がいらっしゃいます。その中には果物を食べてもカロリーを摂りすぎていると感じてしまう方も多いでしょう。

しかし、実際りんごに含まれているのは、100gあたり50kcalであり、ショートケーキの同340kcalと比較しても低カロリーであることがわかります。

りんごには果糖が含まれています。果糖が過剰に摂取されれば健康を損なうことになりますが、りんご200g中には焼く10g程度の量しか含まれていないこともわかっています。

さらに、りんごの糖は血糖値を上げないということもわかってきています。甘いものが好きな人の中には血糖値が高いために制限されている方もいらっしゃいます。
りんごに含まれている果糖は、ぶどう糖や砂糖に比較すると、血糖値を上げる要素が少ないのです。



※馬場果樹園 〔あっぷる25号〕から転載

《 陽光 》 Photo by K.Fujita