あっぷるランド

りんごの気持ち〜♪ 輸入リンゴ
'96 東京都 ○沢幹○ さん

それは '96年の夏

デパートに並んだ輸入リンゴの写真が新聞に掲載された日、杉並区のMスーパーでも、輸入リンゴが一つのコーナーを占領していた。

「これが話題の輸入リンゴね」
「なんか、変にテカテカ光ってるわねぇ〜」
「農薬を使ってるらしいわよ」
「国産のだって農薬を使ってるんでしょ?」

若い主婦たちの話に、私も割り込みました。

「国産のは毒性の弱い農薬を使ってるし、農薬を使う回数をできる限り少なくして、収穫前には使わない、って、青森の友達が言ってるわ。だからずっと安全だと思いますよ」

これは、パソコン通信上で知合った、青森の生産者の方から教えて戴いたことでした。

その後、Mスーパーに輸入リンゴが新しく入荷した様子はなく、輸入リンゴのコーナーは間も無くなくなりました。
今は元通り国産りんごが、穏かな香りを漂わせています。
違ったことと言えば、その後、それぞれのりんごの前に、産地として誇らしげに日本の県名が表示されたことでした。

お母さんたちに敬遠された輸入リンゴは、いったい何処へいったのでしょうか?

まさか、お母さんたちの知らない間に、ジャムになって、こっそり学校給食になっていないでしょうね。

※1996年7月5日号 青森県りんごニュース「花ばさみ」から転載



輸入リンゴテカテカ光っているのは?

それは『ワックス』です。
ワシントン・アップル・コミッションの資料によると、「収穫後の洗浄で損なわれた水分を補い、鮮度・品質保持のために天然ワックスを薄く施している。

アメリカ食料医薬品局の承認を受け、石油から生成されたものではない。」とあります。

ここで誤解のないように声を大にして、《
日本のりんごはワックス処理はしてありません!!

「でも、
つがる、ジョナゴールド、千秋、陽光など、まるで油を塗ったようにベタベタになり、洗ってもとれないよ!」と言う声が聞こえます。

お答しましょう。それは「
油あがり」と言って熟度が進むとりんごの果皮に含まれる「ろう物質(果粉)」を溶かすために起こる現象(性質)で、無害です。
むしろ、リノール酸にはビタミンFが含まれるので健康にとても良く、熟したりんごの「
食べごろサイン」です。

※馬場果樹園 〔あっぷる19号〕から転載