雨の歓迎も・・・・・・
りんご生産者が祝う
+++ 青森県 藤崎町 +++
■ふじ生誕60周年感謝祭
平成12年7月26日、どんよりとした梅雨空のなか、青森県南津軽郡藤崎
町文化ホールに県内のりんご生産者がぞくぞくと集まりました。
その数、会場収容能力いっぱいの600人。「ふじ生誕60年」を祝い、そ
してりんご農家の経済の稀代の大黒柱名品種に感謝するために。
この日は園地視察に入ってからまもなく雨に見まわれましたが、特別におめ
でたい日なので、雨も水に流して60周年を盛大にお祝いしました。
「ふじ」は昭和13年、藤崎町に開場した当時の農林省果樹試験場東北支場
で、翌年の5月24日に「国光」の花のめしべに「デリシャス」の花の花粉
を交配してできた2000粒の種からスタートしました。
この2000粒の種から968個の実生が養成されました。
しかし昭和15年に始まった太平洋戦争で圃場管理に行き届かない面がでて
最終的には596固体が残り、その596固体が調査の対象となったと言わ
れています。
当時交雑実生は組み合わせに、イ、ロ、ハの符号が付けられ、固体番号ロ−
628の果実が後に「ふじ」となるのです。
.............................(山田三智穂 氏著 リンゴ道の探求者 齋藤昌美の人と技術〜).
◇農林省果樹試験場東北支場:現在は農林水産省果樹試験場盛岡支場として岩手県盛岡市に移転
◇交雑実生:こうざつみしょう 品種の異なったものを交配し種から芽をださせたもの
昭和30年の秋も深まった頃、定盛・村上両技官が支場長室に現れ、一個の
りんごを差し出して森支場長に「素晴らしいりんごができました」と言った
のです。
ところでニ人の技官が「素晴らしい」と言ったのは味のことで、外観ではあ
りませんでした。
この「ふじの着色」については大きな争点となり、その陰には一種悲壮なド
ラマがつくり出されていたのでした。
ロ−628の固体番号は昭和33年「東北7号」として園芸学会に発表され
昭和37年に「ふじ」と命名、りんご農林1号として登録されました。
定盛氏は「よくぞ!ふじのような外観(色着き)のものが残った、その幸運
に今更ながら感謝せざるを得ない。同時にそれが裏目に出た時のことを想像
すると慄然として肌に粟を生ずるようである」と、その育種・選抜・普及の
大変さを書いておられます
平成11年度の国内の「ふじ」の生産量は49万9400トン、世界では5
位の品種。
青森県で「ふじ」が生産量のトップに踊り出たのは、昭和56年。以来ずっ
と王座の座位を守り続けています。
一説にオリンピック競技会の創設者とも言われています。
「金のりんご」はギリシャ神話の中で、ヘラクレス(ハ
ーキュリーズ)という怪力無双の男が、エウリステラス
という王から課せられた<12の難題>のうちの11番
目の難題に挑む話です。
ヘラクレスは、最高神ゼウスが人間の人妻をだまして産
ませた子で、その為に一生涯ゼウスの嫉妬深い妻の呪い
を受けとおしましたが、生まれながらの怪力のおかげで
あらゆる困難を克服して「ギリシャ第一の英雄」とたた
えられました。
■金のりんご
☆ りんごにまつわる話--あれこれ ☆
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アメリカ の りんご |
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アメリカのりんごは「ワシントン・アップル」として、東南アジア(台湾、
香港、中国、タイ)のマーケットを席巻(せっけん)しており、1994(
平成6)年産から、日本への上陸を果たしました。
アメリカ全州のりんご生産量の50%強がワシントン州産で、残りがニュー
ヨーク、カリフォルニア、ミシガン州となっています。
りんごの生産面積は年々増加しており、そのうえ産地集約化が進んでいます。
りんご栽培は大きな変化を見せており、第一が経営規模の拡大を軸に、生食
消費を目標とした味と鮮度と外観がポイント。
主な品種は、レッド・デリシャス、ゴールデン・デリシャス、グラニースミ
スなどの新植も目立ちます。
スナック感覚で気楽にかじるアメリカ流の食べ方、りんごの丸かじりが、ア
メリカ流のおしゃれ文化として、日本の若者に受けとめられれば、りんごが
持っている各品種固有の大きさ(DNAサイズ)が生きてくるのですが・・
−−−−−−−−*席巻(せっけん)→ものすごい勢いで領土を攻め取ること。−−−−−−−−
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りんご の 手料理 |
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真っ赤なりんごがとてもおいしい季節=秋。
りんごはその美しい色と、甘い香りと食味で人を魅了します。
楽園でイブが、誘惑に負けて食べてしまった果実とも言われています。
りんごも種類が多い果実ですが、その使い方によって選び分けることがおい
しく食べるコツです。
日本のりんごは、生で食べるように果肉が引き締まり、甘味と酸味が相和し
ています。その中で、料理用なら紅玉、ジョナゴールドなど酸味がしっかり
したものが向きます。
りんごには整腸作用があり、また、体の中の老廃物を排出してくれる働きも
あります。
生のりんごなら、アップルサラダがおすすめ。りんごはさいの目に切り、ク
ルミ、セロリなどを、ヨーグルトとマヨネーズを合わせたドレッシングで和
えます。さっぱりとしたなかに、香ばしさのあるサラダになります。
オレンジとりんごを半々量でミキサーにかけて作るジュースも、朝食のドリ
ンクに最高。
りんごは加熱すると、また違った味が発見できます。
ハチミツ、砂糖、レモンを入れて煮ておくと、さまざまなお菓子作りに使え
ます。シナモンとも相性がいいし、アップルパイに使ったり、ただトースト
の上にのせるだけでもいけます。
ただ冷たく冷やし生クリームをかけると、とろけるような味わいが楽しめま
す。
形が崩れるまで煮込んでジャムにしたり、豚肉料理のソースにしたりするの
もいいですね。
りんごのお酒、カルヴァドスで風味づけすると何とも贅沢な味わいになりま
す。


木村青森県知事は「ふじ≠ニいう名前は藤崎町の ふじ と日本一の富士山
にちなんで、日本一美しく美味しいりんごにそだって欲しいとの期待を込め
られて付けられたと聞いている。
青森県のりんごはふじの誕生により、山川市場と言われた昭和43年産の国
光の大暴落やその後のデリシャス系の販売不振は、接木による品種更新など
で乗り越え、日本一のりんご産地の地位を不動のものにすることができた。
ふじをここまで育てられた先人の弛まぬご努力と、幾多の困難に遭いながら
もふじの生産、販売に取り組んでこられた関係皆様のご尽力に深く敬意を表
し、心から知事として感謝の誠を捧げる」と挨拶されました。
感謝セレモニーは、地元藤崎中学校の皆さんの「安東太鼓」で開幕。
また、県立藤崎園芸高校の皆さんの力作「鉢植えのりんご」も展示され、花
ならぬ実を添えていました。
藤崎町役場の正面玄関前には「ふじ発祥の地」と刻まれた、りんごの形をし
た生誕の碑があります。
60歳を越えた、ふじの母樹の勇姿は盛岡支場で見られます。
いま思う 青森りんごの誓い
30年後に花開く
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美人コンクール の 起源 |
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全米の注目を集めて毎年開催される、恒例の「ミス・アメリカ」コンテスト。
みごと「ミス」の栄冠に輝いた女性には、黄金のりんごが与えられます。
じつは、この黄金のりんごは、ギリシャ神話にちなんだものなんです。
そのいわれとは・・・・
神々が集まる宴席に、一人だけ招かれなかった不和の女神エリスはそれに憤
慨。
「もっとも美しい方へ」とだけ書いた一個の黄金のりんごを、その場に投げ
いれました。
すると、ヴィーナス、ユノー、ミネルバの三人の女神は、それぞれ自分こそ
一番美しいと主張。
黄金のりんごの所有権をめぐって激しく対立しました。神々の王ゼウスから
審判を任された羊飼いのパリスは、「衣服を着たままでは美しさがわからな
いので、裸になるように」と命じた。
これが美人コンクールの始まりと同時に、水着審査の起源でもあるとか。
女性たちの美への熱い思いは、『りんご』を通して現代にも受け継がれてい
るんですね。
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ヨーロッパで一番美しいリンゴ畑 |
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4月から5月にかけて、フランスではそこここにりんごの花が咲き乱れます。
その美しさは、ゴッホやモネなど印象派の画家たちの絵にも数々描かれてい
るほど。
なかでもノルマンディー地方はことに美しい。緑の牧草地とりんご園が点在
し、一帯が花の芳香で満たされます。
日本人が春の桜を愛でるように、フランス人にはりんごの花がそれにあたる
のでしょうか・・・・・。
ところが実情は少し違うようです。
ぶどうはワインをつくるための重要な果樹ですが、ノルマンディーでは気候
の関係でぶどうが収穫できないそうです。
その代わりにりんごを栽培して、りんご酒をつくっているようです。
りんごからつくった醸造酒がシードルで、これを蒸留させたのがアップル・
ブランデー。
なかでも、ノルマンディーのカルヴァドス地域でつくられるものは一級品で
「カルヴァドス」の名が冠されます。
美しい風景は、じつはおいしい風景であるというところが、いかにもフラン
ス的?ですね。
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「梨リンゴ」 と 「リンゴ梨」 |
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瓜の蔓に茄子はならぬ(うりのつるに なすびはならぬ)この諺は平凡な親からは非
凡な子どもは生まれないという意。すなわち血統は争われないということ。
果物の場合も全く同じで、同じ「科」であっても「属」が違えば、いくら仲
が良くても愛が芽生えても、子供である果実はできません。
しかし、造化の意に反しても、バイオテクノロジー(生命科学技術)の応用
で画期的な「新しい果物」を出してみようという研究が二つの大学で進んで
います。
一つは《東京農工大学》で取り組んでいる、リンゴ×ナシ=リンゴナシの研
究です。もしこれが成功すれば、リンゴの香りと風味があり、しかもナシの
シャリ感があるアップル・ペアができるはずだ。
もう一つは《信州大学》で取り組んでいる、ナシ×リンゴ=ナシリンゴの研
究です。もしこれが成功すれば、ナシの風味にリンゴの甘味と、果皮色の美
しいペア・アップルができるはずだ。
いすれにしても、新しい生命を誕生させる画期的な挑戦だけに、研究の成果
が待ち遠しいですね。
バラ科 ● バイオテクノロジーの応用で画期的な新しい果実の誕生
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続報!21世紀の新しい果物 「リンゴ梨」 |
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母は ナシ、父は リンゴ . 期待の リンゴナシ 登場!!
リンゴと日本ナシをかけ合わせた、世界的にも珍しい〔リンゴナシ〕の果実
第一号が、1995年秋、信州大学で収穫されました。
開発に成功した伴野潔助教授は、ナシのみずみずしさとリンゴの甘さや香り
長期保存性などの長所を併せ持つ、夢の果物作りに6年前から挑戦。
本来、属の違う植物同士の交雑は難しいが、バイオ技術を駆使し、ナシの「
菊水」を母に、リンゴの「王林」を父に〔リンゴナシ〕が誕生しました。
リンゴのような滑らかな果皮と「菊水」並みの軟らかな果肉で、比較的大玉。
ナシの味わいに近く、糖度も高いのが特徴。
果実輸入自由化に揺れ続ける今、果実農家の期待を集めるリンゴナシ。
ご家庭の食卓にお目見えするのは、いましばらくかかりそうです。